朝食の欠食が体内に及ぼす影響を調べる為に実験を行い、以下の成績を得た。 1)習慣的な朝食欠食者(朝食常欠食者)と朝食常食者に対して、早朝(8時-9時半)と昼前(11時半-13時)に暗算負荷課題(順次減算法)を15分間実施し、負荷前後の前頭前野の脳血流(脳中ヘモグロビン(Hb)量)、自律神経活性、エネルギー消費量、血糖値の変動を調べた。朝食常欠食者は常食者よりも、負荷前後で、課題正解率、前頭前野の総Hb量(酸化型Hb+還元型Hb)、還元型Hbが有意に低く、交感神経活性は有意に高かった。血糖値は、常欠食者は早朝の安静時値が有意に低かったが、負荷前後での変動は両群に差はなかった。Sawai A and Tochikubo O. Influence of the habitual omitting breakfast on cerebral blood flow and cardiovascular function by mental loads(投稿準備中). 2)実験前日の夕食および当日の朝食、睡眠、起床時間を統一した条件下に於いて、朝食常食者が朝食を1食のみ欠食した場合(欠食時)と摂食した場合(摂食時)に、同様の時間帯に同様の負荷を実施し、前頭前野Hb濃度、自律神経活性、エネルギー消費量、血糖値、ケトン体、フリッカー値の変動を調べた。欠食時は摂食時よりも、負荷前後で、課題遂行数、還元型Hb、フリッカー値が有意に低かった。一方、組織酸素化指標(各Hb濃度より算出)、交感神経活性は、欠食時で有意に高かった。血糖値は早朝の安静時と負荷前後が有意に低く、ケトン体は朝昼共に安静時で有意に高かった(第63回日本栄養・食糧学会大会要旨集p209)。
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