研究課題
健康な被験者6名に、タラの皮から調製した10%(W/V)コラーゲンペプチドを体重60kgあたり2、10、25gになるように摂取して頂いた。摂取前、摂取から30、60、120、240、360分後に採血を行い、その血中の食事由来コラーゲンペプチドの検出を行った。その結果、血中に移行した遊離型およびペプチド型Hyp濃度と、血液中でのその残留時間の長さはコラーゲンペプチドに容量依存的であった。血液中で最も検出された時間はコラーゲンペプチド摂取から60分後であり、その量は24nmol/mLであった。本研究の結果はこれまでに報告されている哺乳類由来コラーゲン、魚類鱗由来コラーゲン摂取後に検出された血液中の食事由来コラーゲンペプチドに比べると濃度が若干低かった。その理由としては、魚類の皮由来コラーゲンは他の動物種や、部位に比べると構成するアミノ酸組成の中でも比較的Hypの割合が低いことが原因と考えられる。また魚類由来コラーゲンペプチド摂取後、血中で検出されるペプチドの種類は哺乳類のそれに比べて多いことが既に報告されている。このことから、血中に移行するコラーゲンペプチドに種類に個人差が生じる可能性も考えられる。これについては、次年度同被験者の血中に移行したペプチドを同定することで明らかにする。さらにその結果から各ペプチドの細胞に対する反応等を明らかにすることで、「どれだけのコラーゲンペプチドを飲むと、血液にどのようなペプチドが移行し、生体内においてどのような影響を及ぼすか」というこれまでの食品タンパク質・ペプチド研究では解明されなかった重要な情報を動物実験でなくヒト臨床試験の結果として提供することが可能である。
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Journal of Agriculture and Food Chemistry 57(2)
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