研究課題
本年度は、東京工科大学での微分積分の講義においてパイロット的にeラーニングのウェブサイトを立ち上げ、その上に演習問題を作成し、講義の内外で利用した。具体的には、moodle(ムードル)というラーニングマネジメントシステムを導入し、次の講義までに行う宿題と、講義中に行う演習問題の二種類を用意した。また、茨城大学で開講された文系学生対象の科学史及び科学の利用についての講義「自然科学の発展と利用」について、内容の精査およびeラーニング教材の改訂などを行った。大きな改訂項目としては、物理学や数学といった枠組にとらわれず、できる限り歴史的な順序に講義の構成を変えた点や新たに実験を加え、暗号に関して演習の時間を準備した点が挙げられる。この講義に必要な数学の現代社会への応用にはいくつかの研究集会によって得られた知識や情報が活用された。同時に当方の結果も発表した。これらの成果を論文として投稿し、さらに成果についての研究発表を行った。上記の微分積分の講義では、「このホームページでの演習は、授業を理解するのに役に立った」かをアンケートにて尋ねたところ、38%の学生が「とてもそう思う」、52%の学生が「そう思う」と答え、「どちらでもない」「そう思わない」「全くそう思わない」といった回答を大幅に上回った。また、eラーニングを実施したクラスの方が実施しなかったクラスよりも成績がよいことが(有意水準5%で)実証された。学生のeラーニング利用の満足度や、eラーニングと成績の関係といった傾向は上述の文系学生向けの講義についても同様であった。その他として、京都大学で行われた第16回大学教育研究フォーラムにおいてラウンドテーブル企画・実行した。その中では討論における座長も行い、意見交換を行った。
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日本科学教育学会年会論文集 33
ページ: 343-344
茨城大学大学教育センター年報 13
ページ: 151-155
Journal of Mathematical Sciences, the University of Tokyo 16
ページ: 461-500