本年度に実施した研究について、1:インタビュー等、2:文献・理論研究、3:報告・発表に分けて報告する。 1: 11月に、昨年度3月に調査した三菱ふそうトラック・バス株式会社において、「リコール問題」に直接関わった技術者を招待し、技術者の社会的責任についてインタビューを行った。現場の技術者の\置かれる倫理的状況を知る重要な機会となった。また随時、社会情報学会の若手と研究グループを結成して、有意義な意見交換を行い、これをもとに研究大会にてワークショップを企画した(9月)。 2: 情報社会ガバナンスについての基礎的文献を整理し、情報社会論におけるガバナンスと情報技術者の責任、役割について検討を進めた。また、こうして整理したものは、12月には大阪市立大学理学部における講演で報告し、理学研究に携わる教員・学生らと論議した。3月には、ガバナンス研究の一環として、学内の研究グループと共に、現代の代表的なガバナンス研究者であるM.Bevir氏の著作を翻訳(抄訳)し出版した。 3: ITスペシャリストの社会的責任に焦点を当てて、わが国における情報倫理教育について、具体的な分析と提案を行った。情報倫理教育9月に、日本社会情報学会「大学・専門学校における情報倫理教育への提案」(発表と発表論文集)、11月に、WiNF2009「社会ビジョンに基づく劣化しない情報倫理教育の試み」(発表と発表論文集)において、成果を発表した。
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