研究概要 |
e-Learning教材の多くは, 学習者が教材を読解する段階を中心として構成されている. このような形態のe-Learningは, 教材配布の簡便化, 学習者個々のペースに合わせた学習, 大まかな進捗状況の把握, といった点で有用性が高いといえるが, 同時に, その中心となっている読解段階において, 紙ベースの従来の自習と大差ない学習形態になっているという問題が生じている. この読解段階をe-Learningのインタラクティブ性を活かしたものとし, 学習者の動機付けを高めることが, 本研究の目的となる. e-Learning教材への学習者の動機付けを高めるため, 実際に下線引きによる学習支援システムを開発し, 学生に対して実験を行った結果, 下線引きに対するフィードバックが, 予習条件, 復習条件に限らず, 達成度のフィードバックの有無が学習活動タイプに影響した結果であると示唆される. さらに, 下線引き機能やフィードバック機能がある各群の学習者を以下の(1)から(4)の4つのタイプに分類し、分析を行った結果, フィードバックがない場合はP型の学習活動タイプの傾向となり, フィードバックがある場合はR型の学習活動タイプとなる傾向がうかがえる. 個々の学習者の教材への下線の引き方については, 特にR型の学習活動タイプが, フィードバックのある学習を行う上で, 最適かつ有効な学習活動であると考えられる. e-Learning教材における下線引きの活動の中で, 1学習項目内での達成度が (1) 平行のままの学習活動を"P型" (2) 上昇しながらの学習活動を"R型" (3) 上昇や下降しながらの学習活動を"Z型" (4) 下降しながらの学習活動を"D型" としてタイプ別に学習者を分類した。
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