研究概要 |
探索的学習や研究活動など多くの知的活動が, ネットワーク環境上で盛んに行われており, そこではWebドキュメントや電子メールを始めとする様々な電子ドキュメントが活用されている. その際, 知的活動の進行に伴って数や種類が増加する電子ドキュメントを, いかにして上手く管理・活用することかが重要な課題となる. 知的活動の成果向上を考えると, 情報の獲得から活用までの各作業を, 知的活動上の目的や主旨など実際の「話題」と関連づけて行うことが望ましい. そこで本研究では, 知的活動における主なフェーズ(情報獲得, 情報追跡, 情報管理, 情報活用)を見渡した「話題中心型の情報獲得・管理・活用の連携的支援」を実現し,「話題」に関係するドキュメントをユーザの思考中でのみ管理する難しさを解消することを最終ゴールとした. 目的達成のために, 異種混在ドキュメント中に潜在する話題の抽出手法, 話題中心の適応的ドキュメント管理システムの開発を目標とする. 20年度は, 話題抽出手法の開発に取り組んだ. まず, 代表的な種類のドキュメントの特徴・属性情報等の分析を実施した. その結果を踏まえ, ドキュメントの種類に対して横断的な話題表現手法である「話題オブジェクト」, 話題に相当する異種混在ドキュメント集合抽出アルゴリズムを設計した. その後, 適応的ドキュメント管理システムの開発に向け, 知的活動とドキュメントの種類・割合・扱われ方の特徴等の分析, 知的活動シーンに応じた適応的機能・インタフェースの設計に取り組んだ.
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