研究概要 |
本研究は、高等教育機関初任者教員の不安・孤独感の緩和を目指すハイブリッド型教育活動支援システムを開発し評価するものである。平成20年度は開発・準備期間と位置づけ、下記の研究活動を行った。 まず、本システムの開発を進める中で、初任者教員が教育リソースや授業映像を共有し、さらに初任者教員同士がビデオを通し対話を行うことで不安・孤独感を低減しうるWebシステム「Talking Teachers Society(T2S)」を開発した。このシステムでは、教員同士が互いの教育リソースや講義の様子を共有するにとどまらず、ナラティヴ・セラピーにおけるカウンセリング手法の一つである「リフレクティング・チーム」の枠組みを援用し,教員がビデオを通じて互いの不安や苦労を語り合う。また、他の教員同士が不安や悩みについて語り合うビデオにコメントをすることで、他の教員への助言も行う。このような場を提供することで、教員が悩みや不安を解消しうる、新たな「ストーリ」を発見することで、彼らの不安・孤独感を緩和しうると考えている。 本研究では今年度を通じ、上記システムの開発と、研究者数名による形成的評価を行った。加えて、次年度にわたり本システムの運用・評価に協力を仰ぐ教員や教育現場との協議を行うなど、本研究で提案するハイブリッド型システムの基盤を整備した。 加えて、高等教育機関における教員支援に関連する学会における動向調査、高等教育機関における教員支援の実態調査を行い、次年度への準備につなげた
|