研究概要 |
本研究はインストラクショナルデザインのADDIEモデルに基づき,発表者が自主的にプレゼンテーション練習を行なう際に,自分の発表内容を確認し,その分析を客観的に行なうことができるシステムの構築を目標としている.その実現のためには,『1.「分析(Analyze)」のための「プレゼンテーションのアーカイブ・発表者のふるまいの観測」』『2.「設計(Design)」のための「事例に即した典型的な設計方針の選出」』『3.「実施(Implement)」のための「設計方針に従った指示の提示」』『4.「評価(Evaluate)」のための「設定された評価項目との一致・不一致の検証」』を可能とするシステムの開発が必要である。 平成21年度は上記の2,4の実現のため,「収集したプレゼンテーションアーカイブシステムの分析手法の検討」および「プレゼンテーション事例の継続収集」について取り組んだ. 「収集したプレゼンテーションアーカイブシステムの分析手法の検討」については,以前構築したシステムから獲得したプレゼンテーションと発表者の映像,および発表者音声に対して画像処理・音声処理をかけ,ふるまいの基本的な単位(発表者の発話(音量,抑揚等)・手首の動き・位置・向き)へと変換処理を行う部分を構築することでふるまいの基本的な単位を分析する準備を行った.これにより,プレゼンテーションからの頻出パターンの抽出といった項目評価の処理が今後可能になることが予想できる. 「プレゼンテーション事例の継続収集」については,実際のプレゼンテーション練習についての事例を5~10件程度追加で獲得している.今後,上記の結果を踏まえ,それらのパターンを入力データとし,実際のプレゼンテーション練習で行なわれた指摘事例を教師信号としたクラスタリングにより,発表者のふるまいと支援内容との関連についての分析を行っていく.
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