本研究では、SNSを通じた他者との交流の中で、身体的スキルトレーニングや実世界での技能開発を対象とした支援環境を開発し、その持続性に着目した運用モデルを提案する。本目的達成のため、平成20年度には、下記の項目について実施した。 1 SNSべースシステム構築 : SNSの標準的な機能に対しては、開発効率向上のため、オープンソース系のSNSべースシステムを採用した。ただし、べースとなるプログラムから、独自開発機能部分は独立して構築し、SNSとしての基本機能を備えたプロトタイプを開発した。 2 メディア処理技術開発 : 映像メディアやGPS・HRM等の情報の可視化、文字情報の処理などを、具体的な対象スキルに応じて加工・分析・表現・伝達する目的のため、これらの処理プログラムを設計し試作した。 3 コミュニティ成長モデル調査・検討 : コミュニティの成長モデルには既に幾つかの典型的な研究も行われているが、本研究の主旨に沿ってそれらを再度見直した。その結果、教育・学習支援の対象を実世界での身体スキルとした場合の、新たな適用モデルについて基本検討を行った。 4 SNSにおける動機付け機能の検討 : 魅力ある他者・コンテンツの存在をいかに柔軟に伝達できるかが、SNSの成功・失敗の鍵である。このため、既存のコミュニティ空間での学習者個々の活動やその繋がりを多面的に調査した。結果、学習者間の動機付けを基に支援方略について検討を行った。
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