本研究では、SNSを通じた他者との交流の中で、身体的スキルトレーニングや実世界での技能開発を対象とした支援環境を開発し、その持続性に着目した運用モデルを検討した。本研究の狙いとして、(I)学習者間でやりとりされる知識や暗黙的なノウハウがコミュニティ空間の中で機能的に相互交換されるシステム設計と、(II)そのコミュニティを活用したスキル開発への動機付け支援の両面を研究対象としている。特に平成22年度は、最新の研究動向を再度調査するとともに、過年度構築したシステムの改善および、多様なコミュニティに対する個の成長モデルに関する研究を実施した。 平成22年度の研究では、具体的な身体知の対象としてはプレゼンテーションスキルやナワトビスキル、およびランニングスキルを扱い、コミュニティ空間として、一般的なSNSに加え、Twitterの利用を行った。これらに対し、三軸加速度センサ、赤外線センサ、心拍センサなど、様々なセンサを通じて得られる身体情報をコミュニティ空間に蓄積、共有する事で、個人のスキル向上に寄与すると同時に、コミュニティ全体のスキル向上にも寄与する様子が見られた。ただし、身体知に関しては、学会等での研究討論においても、一般化を論じる事の難しさが指摘されており、今後の当該分野での継続的な研究展開が必要と考える。 なおこれらの研究成果は、学会誌や国際・国内での発表を行うと同時に、組織内のCMS上に、WEB上での情報公開を開始した。
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