研究概要 |
近年,学習者間で相互に学習成果物を評価させる試みが行われている.学習者が主体的に参加する学習形態において,学習者が評価に参画することは自然であり,評価結果を受け入れやすくする.そのため,学習者の内省を促し,知識の内化や深化を導き,学習意欲や学習動機を向上させ,より積極的に学習に取り組むことなどの効果が期待される.しかし,学習者間評価の前提の1つとして,学習者が他の学習者を評価する能力を持っていることがあげられるが,他者評価の能力については,これまであまり議論されてこなかった.本研究では,(1)学習者の他者評価能力を可視化するツール,及び(2)評価についてのコミュニケーションツールを開発することで,学習者の他者評価能力の向上に資することを目指す. 前者は,学習者間評価を終了した後に,評価能力についての推定値をグラフィカルに表示したものと,他者からの評価を表示する.22年度は,昨年度に引き続き相互評価結果を用いて,評価者と評価を受ける人とのコミュニケーションを支援するシステムの実装した.後者は,評価者と非評価者とのインタラクションを通して,客観的に自身の評価能力について理解させるだけでなく,他者に行った評価が受け入れられているかどうかを主観的にも納得させることを目指すために,コミュニケーションにおけるトラストに関する関連研究調査を行った.
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