研究概要 |
平成21年度は,国外におけるフィールド調査と資料収集を行うとともに,これまでに得られたデータの分析作業を継続して行った. まず,トロント大学における実務技能教育とICTを用いた(オンラインで行われる)教育についての調査を行った.具体的には,Ontario Institute for Studies in Education (OISE/UT)とFaculty of Lawにおいて,シラバス等を参考に該当する授業を選択し,担当教員に質問紙による調査を実施した.OISEでは2つの通常授業と6つのオンライン授業の担当教員から回答を得,それぞれ1つずつ授業観察を行った.また,Faculty of Lawについては観察の許可を得ることができなかったが,3つの授業の担当教員への質問紙調査を実行できた.これらのデータについては,現在分析を行っている. 実務技能教育を支援するシステムSTICSを用いた授業に関しては,前年度までに得られたデータの分析を元に,STICSに付与されたコメントに関する論文を投稿し,日本教育工学会論文誌に掲載された.これ以外に,このシステムの改良に関連した発表を,E-learn 2009で行ったほか,前年度に行われた実験のデータについても,現在分析を継続しており,一部の結果については学会発表に向けた準備をしている. その他,実務技能教育や学習科学,教育におけるテクノロジー利用に関する文献の収集を行った.
|