平成22年度は、前年度に引き続き、実務技能教育や学習科学、教育におけるテクノロジーに関する文献を調査するとともに、これまでに得られた記録を整理し、それをもとに分析作業を行った。 STICSを用いた授業に関しては、STICSを用いた非同期のオンラインディスカッションに着目し、受講者同士のインタラクションを妨げる要因と、逆に、それを促進する要因を探った。これに関する発表をEd-Media 2010で行った。 協調的な学習については、実務技能教育の文脈とは離れて、高等教育における情報教育の文脈において、相互評価に焦点を当てたシステムを利用する実践を行い、システムに求められる基本的な昨日について提案した。その結果は教育システム情報学会研究会において発表したが、これらの知見は実務技能教育の文脈においても有効であると考えている。 なお、前年度、トロント大学における実務技能教育とICTを用いた教育についてのフィールド調査で得られたデータについては、現在も分析を続けている。これらのデータを分析する際には、STICS等のシステムの利用場面の分析結果も見据えて分析される必要があると考えている。さらに今後の研究の発展を考慮し、これまでは調査の対象としてこなかった、看護など他の実務技能教育の分野においても研究が行えるよう、関係者にアプローチを行っている。
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