平成20年度は次の3つの目的に対し、以下のような取り組みを行った。 A) 情報教育の視点からコミュニケーション能力の構成要素の明確化 : 宮城県の教員を中心とした研究会「情報活用型授業を深める会」を組織し、児童の発表場面におけるICTを用いた伝え方、情報教育に関する映像教材、学級経営とコミュニケーションカの関係について討議を行った。その結果、言語表現、メディア活用、関係性の3つの構成要素を抽出した。 B) 評価手法の開発 : テレビ会議場面に着目し、宮城け・山形間の交流学習の実践について分析を行った。その結果、発表、討論、打ち合わせの3場面における期待されるパフォーマンスとそこでの関係性、メディア特性の影響についてモデル化することができた。一方で、電子黒板を児童が利用して説明する場面の行動を分析し、教室内のコミュニケーションにおけるメディアの影響についても検討を行った。 C) コミュニティサイトの構築 : オープンソースのSNSであるOpne PNE、CMSのJoomlaを用いたサイト構築と運用テストを行った。学習者向けにはグループウェア的な利用ニーズが高いがその一方で、教員にとってはメール主体の連絡調整に加えてWeb上で行うことの負荷が高く、支援方法を再検討する必要があることが確認された。また、システム上で実践支援を行うために、小学校高学年を対象とした国際交流モデルカリキュラムの開発を行った。 以上の結果をもとに、次年度では評価指標のプロトタイプモデルを構築し、フィールド調査においてその指標の妥当性と有効性について検証を進めていくことを予定している。
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