研究概要 |
本研究では、A)情報教育の視点からコミュニケーション能力の構成要素の明確化、B)評価手法の開発、C)コミュニティサイトの構築の3つを目的としている。平成22年度に取り組んだのは以下の通りである。 1) コミュニケーション力の育成に着目した情報モラル教育のモデル開発→仙台、横浜、大阪、徳島の4つの小学校において情報モラル教育の授業モデルの開発を行った。各地の携帯電話やインターネットの使用状況に照らし、適切なコミュニケーションを図るための授業モデルを開発し、効果検証を行った。 2) 言語活動の充実を図るための学校間交流学習の授業モデルの開発→仙台、石川、宮崎、愛媛の4つの小学校において、国語(4年、6年)、社会科(4年)の8つの単元を対象にしたモデルプランの開発と効果検証を行った。 3) 国際交流学習のマネジメント支援のためのWebツールの活用→協同の壁画制作を行うプロジェクト「アートマイル」を対象に、モデルカリキュラムに基づいた月ごとの進捗状況を報告・共有するためのWebサービスの活用方法の検討と運用を行った。 以上の取り組みの結果、目標A),B)については、取り組み1),2)を通して情報教育の視点から児童のコミュニケーション活動を支えるスキルと態度と、実際のパフォーマンスを規定する教科単元や学習活動の場の設定との関連を検討し、授業場面に即したいくつかの評価手法を実施することができた。また、目標Cについては、2)において共有ホワイトボード型のグループウェアにより様々なコミュニケーション活動と評価・振り返り活動を支援できることを検証し、3)では教師を支援する枠組みとしてWebサービスの運用を行った。最終年度である次年度に向けて多くの実証データを蓄積することができた。
|