研究課題
電子メディアコミュニケーションにおいて得られる(1)客観的なデータを処理して、(2)コミュニケーション参加者の感情状態を判定し、(3)コミュニケーションの管理者(教員やeラーニングのメンターなど)や参加者に表示するシステムを開発し、評価をすることが、本研究の目的である。具体的には、(1)応募者のこれまでの研究および関連する先行研究を整理し、電子メディアコミュニケーションにおける参加者の感情状態を判定するための要因の洗い出しを行う。(2)(1)で洗い出された要因に基づいて感情状態を判定するモデルを開発し、その評価を行う。ここでは、送信者の感情状態と受信者の感情状態を判定する二つのモデルの開発・評価を行う。(3)(2)で開発したモデルをシステムに反映する。ここでは、電子メディア学習環境における客観的なデータを収集し、データマイニング等を用いて参加者の感情状態を判定するシステムを設計・開発し、その評価を行う。20年度は、主に電子メディアコミュニケーションにおける感情判定のモデルを開発するための要因の洗い出しを行った。携帯メールやPCメールを主にターゲットにして、これらのコミュニケーションで生じた感情面を調べた。本年度の主な知見は、生じる感情(経験される感情)と相手に伝えたい感情との間にギャップのある感情の存在である。これは、相手との関係にも影響される要因であることがわかった。喜びなどポジティブな感情では、そのようなギャップは顕著ではなく生じた感情をそのまま伝えようとするのに対して、ネガティブ、敵意感情では、生じた感情を弱めて伝えたり、別の感情を伝えたり傾向が見られた。そのため、本研究の目的である、客観的なデータからの感情判定に対して、生じた感情と伝えようとする感情の差を考慮する必要のあることが確認された。
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International Journal on ELearning (IJEL) Corpo rate, Government, Healthcare, & Higher Educatio n (掲載確定)(印刷中)