研究課題
電子メディアを用いたコミュニケーション環境において得られる(1)客観的なデータを処理して、(2)電子メディア参加者の感情状態を判定し、(3)コミュニケーションの管理者(教員やeラーニングのメンターなど)や参加者に表示するシステムを検討することが、本研究の目的である。前年度に行った実験や調査から明らかになった点として、喜びなどポジティブな感情の場合、生じた感情をそのまま伝えようとするのに対して、ネガティブ、敵意感情では、生じた感情を弱めて伝えたり、意図的に別の感情を伝えたりする傾向がある。そこから、21年度は、システム化に向けて、感情判別の仕組みを二つに分けて検討した。すなわち、ポジティブ感情は、電子メディアで交わされるメッセージのテキスト、顔文字・絵文字から判別することができると考えられる。一方、ネガティブ感情では、送信者がそのまま感情を伝えようとしないため、メッセージ情報からだけでは判別が困難であると考えられる。そこで、ネガティブ感情を伝えるための手がかりについて、技術的にシステム化の可能な、マンガによるメッセージ表現とメッセージの背景画による表現を提案した。これらを用いることで、ネガティブ感情を表現することができれば、システム化において判別の手がかりにもなる。これらの使用について、評価実験を行ったところ、ネガティブ感情よりもポジティブ感情を伝える際に、これらを使用したいという結果を得た。以上より、ポジティブ感情を判別する手がかりは明確になったが、ネガティブ感情については、判別が困難であり課題として残された。
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Proceedings of IADIS International Conferencee-Society 2010
ページ: 560-562
Proceedings of World Conference on Educational Multimedia, Hypermedia and Telecommunications (ED-MEDIA)2009
ページ: 654-663