日本の少子高齢化により労働人口の減少が進む中、潜在労働力の活用が求められている。国の施策においても、女性・シニアの再チャレンジや、就業体系の多様化、起業の支援などが推進されており、キャリアパスを多様化させることで、潜在労働力の活用を図ることができると期待されている。これまでに、社会で活躍している本学卒業生(ロールモデル)の学生時代の学習履歴・成果などの蓄積データをもとに様々な職種に求められる実践力を数値化し、学生の現在の実践力をロールモデルと比較・分析できるロールモデル型eポートフォリオ(Role Model based e-Portfolio:RMP)システムの提案・構築を行ってきた。 本研究では、在校生だけでなく、卒業生の再就職や転職などの支援となり得るマルチキャリアパス支援システムの構築を目指している。 本研究は「RMP解析部の拡張開発」、「eポートフォリオ機能の開発」、「キャリアパス支援機能の開発」を柱に研究を進めていった。本年度において、「RMP解析部の拡張開発」では、未活用だった文書情報を用いて文書解析を行い、ロールモデルの文書データと職種の相関性を利用した適職診断機能の開発を行った。reポートフォリオ機能」については、入力項目の検討を行い、資格や特殊装置経験の項目を追加し、プルダウン方式を採用してユーザーインターフェースについても検討を加えた。「キャリアパス支援機能の開発」については、情報共有のために作成したSNS機能をRMPシステム内に構築した。 これにより、eポートフォリオに蓄積された情報が更に有効活用され、在校生、卒業生の両方にとっても有効なシステムへの改善された。
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