本研究の目的は、数学の学習者の能力に関して、どこまで理解しているか、どこでつまづいているかを診断し、学習が不十分なものに対しては適切なアドバイスを与えて習得を促す学習支援システムを構築することである。本年度はその基礎データとなるデータの収集とその解析、誤りの類型化などを行った。以下に具体的な内容を記す。 1. 学習状況調査 神奈川県・茨城県・滋賀県の公立小・中学校において、学習状況調査を行った。データを集計し、公表している。 2. 誤りの種類の分類 学習結果のデータより、どのような誤りを犯しているかを潜在変数モデルを用いて多変量解析的に分類した。 3. 誤り診断の自動化アルゴリズムの構築 確率ネットワークモデルにより、効率的な誤り診断アルゴリズムを開発した。 これらの内容について、海外および国内の学会において研究発表を行った。
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