研究概要 |
平成20年度の実施計画に基づき、研究成果を下記に整理する。 1. 展示における学びの過程(making of meaning)の調査 博物館の研究者Falk, John H. 氏が論じるミュージアムの学びの構造をはじめ、Free-Choice Learning、Narrative Approach、Family Learning等をキーワードに、欧米諸国のミュージアム研究を調査、整理した。これにより、Narrative Approachを発展させた新しい試みとしての「インプロ(即興演劇)」による展示解説の手法、ならびに、「ミュージアムコミュニケーション」という概念を新たに学ぶことができた。さらに、日本のミュージアムでの導入の可能性について、名古屋市科学館、徳川美術館等と議論を行った。 2.展示解説システムの開発 Falk氏が述べる「学びの構造」をはじめ、新たな手法として「インプロ」や「ミュージアムコミュニケーション」を展示解説システムに導入することを検討した。具体的には、「学びの構造」については「思い出」という視点から、「インプロ」については「ストーリー性のある解説」という視点からのコンテンツ提案である。システム開発、ならびに、実践の場所は、国立天文台だけではなく、名古屋市科学館の協力を得ることになった。名古屋市科学館と数回打ち合わせを行い、来館者調査を実施し、来館者の科学館に対する「思い」や「思い出」についての分析を行った。
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