研究概要 |
本年度の研究実績の概要は、以下の通りである。 1.言葉で表現することが難しい柔道の技(微妙な運動感覚)を、音のリズムで伝えることができるスポーツオノマトペ付随の実技ビデオを収録した。ビデオは,柔道指導及び学習効果の視点から「柔道学習の動機付けに役立つビデオ6本」,「基本動作と技の全流れを撮影したビデオ31本」,「技のポイントとなる部分(崩し・作り・掛けなど)を撮影したビデオ61本」計98本を収録した。収録されたビデオ映像の分析では,力を入れるタイミングのヒントが初心者を対象にした際,インストラクションとしての情報が少ないことが分かった。以上のことから今後は,ポイントとなる画像部位にスポーツオノマトペの表示と力を入れる方向の矢印を付与するなどの検討を加えなければならない。収録したスポーツオノマトペが運動のインストラクションに相応しい声(運動と声が連動しているか)であるかは撮影後,演技者に視聴してもらいその妥当性を確認した。 2.収録された98本のビデオは、前年度に概念設計したプロトタイプをもとにマイクロソフト・アクセス(Microsoft Access)を用いてビデオのインポート・フィールドの定義,各技とスポーツオノマトペの検索機能、学習履歴機能などを開発した。 3.教師が授業時において、どのように本データベースシステムを利用すれば効果的な学習が行えるかを柔道指導者にアンケート調査とインタビュー形式の議論を行って検討した結果,授業の「はじめ・なか・おわり」の各用途(模範演技の視聴,技の理解と確認)に応じて利用すること,検索機能を使ってスポーツオノマトペと学んだ技の確認を行って学習の定着を図ることが示された。
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