本年度の研究実績の概要は、以下の通りである。 (1).技の理解を促進するビデオテロップの付与 21年度のビデオ映像の分析で、検討課題として挙げられた「技のポイントとなる部位の側にスポーツオノマトペテロップを付与」、「力を入れる方向に矢印型のテロップを付与」について学習促進の視点から設計・付与した。テロップを表示するタイミングや位置、サイズ感などは柔道指導者とディスカッションし決定した。テロップの付与によって、学習者が力を入れるタイミングの理解、ポイントを絞った学習・教授が可能になった。 (2).開発したシステムの評価 柔道のスポーツオノマトペデータベースシステムとテキスト教材(柔道の教本)との学習効果に関する比較を大学生にアンケート調査し定量的に分析した結果、「動きのリズムがつかめる」、「学んだ技が記憶に残る」、「技の動きのイメージが容易にできる」、「学習が楽しくなる」の評価視点で本システムを利用した方が有意に高いことを示した。 (3).システムのマニュアル作成と学習指導方法の提案 本システムの使用方法に関するマニュアルの作成並び保健体育の教員が授業でデータベースシステムを効果的に活用するための学習指導方法のモデルを提案した。また、デザインの編集や新たな技のデータベース構築方法(Microsoft Access)に関する手順も示した。更に、システムをパーソナルコンピューターで稼働させるためのインストーラを制作し、学習者がいつでも使用できるようにした。今年度に構築・開発された成果物は、必要に応じて学校・教育機関に公開(DVDで配布する)していく。
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