研究概要 |
近年の大学入学志願者の社会的および教育的背景の多様化により,大学入学者選抜方法として,教科・科目別の知識や学習到達度を評価する学科試験だけでなく,受験生の多様な能力,資質,適性などを多面的に評価する総合的な試験を利用すること,およびその有効性の検証が重要な課題となってきている。このような状況に鑑み,総合試験の開発および導入に際しての諸課題のうち,特に総合問題の内容およびその特性を明らかにすること,また,広範な分野において共通に必要とされる言語運用能力を包括的に評価する総合的な試験を構築することを目的とした研究を行った。 今年度は,平成15〜17年度に行われたプロジェクト研究「総合試験問題の分析的研究」試作された総合問題について,複数回実施されたモニター調査の成績(得点)およびアンケートのデータに基づき,学力レベルを等化した調整得点の学部系統間比較,困難度指数による項目応答の学部系統間比較と問題内容分析を行った。また,言語運用能力の包括的評価に関しては,平成19年度大学入試セン夕ー試験モニター調査で得られた英語(筆記およびリスニング)の成績(得点)および言語使用熟達度アンケートのデータを用いて,典型的な言語テストとしでの英語の試験の測定内容の構造を分析するとともに,文章化された言語熟達度レベルとの対応付けを行った。成果については日本テスト学会第6回大会および日本教育心理学会第50回大会にて発表した。
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