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2009 年度 実績報告書

大気二酸化炭素濃度の増加が炭酸カルシウム合成生物に与える影響の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20710008
研究機関琉球大学

研究代表者

栗原 晴子  琉球大学, 亜熱帯島嶼科学超域研究推進機構, 特命助教 (40397568)

キーワード二酸化炭素 / 海洋酸性化 / 石灰化 / 石灰化関連遺伝子 / ウニ / pH
研究概要

現在我々人間の活動により急速に増加しつつ有る大気中の二酸化炭素は、海水中に溶解しpHを低下させ、さらに炭酸カルシウム飽和度を低下させることが懸念されている。将来、ますます大気CO2濃度の増加が予測されているなかで、この様な海水の化学環境の変化が生物ならびに海洋生態系にどのような影響を与えうるのかを解明することが急務となっている。この様な背景の元、本研究は、特に影響を受けると予測されている石灰化生物(炭酸カルシウムの殻や骨を有する生物)を対象に、大気CO2濃度増加がこれら生物にどのような影響を与え、さらにその影響のメカニズム解明を目的として行った。
本研究の結果、二酸化炭素濃度を増加させた海水がウニや貝類(カキ、ムラサキイガイ)の幼生時の殻や骨の形成に直接影響し、骨格の形成異常や阻害を引き起こすことが明らかとなった。幼生期の殻や骨の形成異常はさらにその後の発生に影響し生存率を著しく低下させると考えられる。さらに今回初めて、海水中のCO2濃度が直接石灰化に関わる遺伝子のうち、カルシウムイオンの運搬に係る遺伝子の発現が抑制されること、さらにその抑制はCO2濃度に依存的であることが明らかとなった。これまで海水中の二酸化炭素濃度の上昇が石灰化機構に及ぼす主な原因として炭酸カルシウム飽和度の低下という化学的機構が中心となっていると考えられてきたが、本研究より生物が遺伝子レベルにおいても影響を受け、その結果殻の形成異常などの影響を受けることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Effects of CO2-induced ocean environmental changes on marine life-Implications for aquaculture-.2010

    • 著者名/発表者名
      石松惇、栗原晴子
    • 学会等名
      SEAFDEC Regional Forum "Regional Technical Consultation for Sustainable Aquaculture in Southeast Asia towards 2020"
    • 発表場所
      タイ、バンコク
    • 年月日
      20100317-20100319
  • [学会発表] 海洋酸性化による生物影響~これまでの研究および今後の研究の方向性について~2009

    • 著者名/発表者名
      栗原晴子
    • 学会等名
      日本珊瑚礁学会
    • 発表場所
      本部町公民館(沖縄県)
    • 年月日
      20091127-20091129
  • [学会発表] 海洋酸性化と温暖化がクマノミ(Amphiprion clarkii)の初期発生に及ぼす影響2009

    • 著者名/発表者名
      福田適子、栗原晴子、石松惇
    • 学会等名
      日本珊瑚礁学会
    • 発表場所
      本部町公民館(沖縄県)
    • 年月日
      20091127-20091129
  • [学会発表] 海洋酸性化とは?2009

    • 著者名/発表者名
      栗原晴子、石松惇
    • 学会等名
      日本海洋学会
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      20090405-20090409
  • [備考]

    • URL

      http://web.mac.com/harukoku/

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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