地球温暖化に伴う気温上昇によって、微生物による土壌有機物の分解が促進される可能性があり、これを正確に予測するためには、土壌有機物の微生物分解特性の多様性を定量的に解明する必要がある。本研究では、化学的に分画した土壌有機物の放射性炭素同位体比を測定し、得られた同位体比に基づいて土壌有機物の平均滞留時間を推定する手法を開発した。本手法により、土壌有機物の分解特性の多様性を、滞留時間別炭素貯留量として定量的に表現することが可能となり、数十年から200年程度土壌に留まる有機物が、温暖化に伴う炭素放出量増大に大きく寄与する可能性を示した。
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