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2008 年度 実績報告書

質量分析を用いた海水中の難分解性多環式化合物定量法開発

研究課題

研究課題/領域番号 20710017
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

本郷 やよい  独立行政法人理化学研究所, 物質構造解析チーム, 特別任期制研究員 (40435681)

キーワード溶存有機炭素 / LC-ESI-MS / MS / 葉酸 / 質量分析 / 海洋化学 / 地球化学 / 微量定量 / 分析化学
研究概要

海洋炭素リザバーとして重要であるにもかかわらず、化合物としての実態が不明ないわゆる海水中の難分解性溶存有機化合物と呼ばれる物質の成因や化学的特徴をとらえるため、まず既知化合物が海洋中で受ける化学変化について、化合物の特徴とあわせてキャラクタライズしていくことを目指した。本年度は、海水中で生物により生産・消費され光分解することが知られている葉酸を溶存安定な酸性有機化合物の1モデルとして海水中の化学変化を追跡するための微量検出・定量法を検討した。海水中の葉酸の分析手法としては、既にカソーディックストリッピングボルタンメトリー(CSV)などが存在するが、CSVは似た官能基を持つ分子間での化合物識別が難しく、分析可能な化合物種もその酸化還元電位によって限定される。そこで、ここでは他の化合物にも広く応用できる可能性のある質量分析法を用いた。海水中の葉酸の検出・定量法開発では1)海水試料中に極微量濃度で存在する葉酸を質量分析装置に導入可能な試料形態にするためのOff-Line濃縮脱塩法、2)葉酸を質量分析で検出定量する際に妨害となる成分を分離するためのHPLCを用いたOn-Line分離分析法、3)信頼性の高い定量を行うためのMS/MS断片化を含めた質量分析装置パラメータの最適化を行った。その結果、陰イオン交換による濃縮、C18カラムによる脱塩を経て、定量にはHILICカラムを用いたLC-ESI-MS/MSネガティブイオン測定での選択イオンモニタリング(脱プロトン化分子m/z=440)、選択反応モニタリング(m/z=440→311)が有効であると結論付けた。抽出回収率は40%、質量分析定量下限lnmol/ml、繰り返し精度は3〜18%であった。実試料は2009年2月と3月に採取される海水および湖水の試料入手を待ってまとめて分析を行う。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Structural Determination of Montanacin D by Total Synthesis2008

    • 著者名/発表者名
      Takahashi, Shunya
    • 雑誌名

      Organic Letters 10

      ページ: 4223-4226

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The biosynthesis of sorbicillinoids in Trichoderma sp. USF-2690 : Prospect for the existence of a common precursor to sorbicillinol and 5-epihydroxyvertinolide, a new sorbicillinoid member.2008

    • 著者名/発表者名
      Sugaya, Kouichi
    • 雑誌名

      Tetrahedron Letters 49

      ページ: 654-657

    • 査読あり
  • [学会発表] アルキル化システインを含む糖ペプチドシステイン側鎖の気相β脱離とその後の電子捕獲解離(ECD)で得られる構造情報2008

    • 著者名/発表者名
      本郷やよい
    • 学会等名
      第56回質量分析総合討論会
    • 発表場所
      つくば
    • 年月日
      2008-05-14

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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