研究課題
今年度は、主に二つの作業を行った。ひとつは「気候パラメータと炭素収支の関係解析」、もうひとつは「衛星、土地被覆データの整備」である。気候パラメータと炭素収支の関係解析は、収支量のアノマリーを計算して各年の時空間パターンを把握し、気候、植生パラメータとの関係を調べた。2001~2006年における月別の炭素収支量を推定し、植生活動が活発な7月を対象にアノマリーを解析した結果、純一次生産量や純生態系生産量などの炭素収支量は地域や年によってパターンが異なることがわかった。放出を示した地域は、2003年が北海道を除く日本地域、韓国、中国の一部、2005年は樺太、日本全域、2006年は日本全域、韓国の一部であった。逆に、吸収を示した地域は、2001年が韓国と本州の一部、2003年が樺太、ロシアの一部、2004年がロシアの一部、北海道や九州の一部の地域であった。衛星、土地被覆データの整備は、MODISプロダクトの入手・整理、地上の写真を用いた士地被覆判別作業を行った。MODISは、5つのプロダクトを収集し、ディレクトリ構造やデータ欠損の有無などを確認した。モデルの入力データとして使うため、データの前処理としてモザイクやリサンプリング、コンポジット、欠損部分の補間などの作業を行った。昨年度までは2001年から2006年までのデータを一部収集したので、今年度は2009年までの全データを収集した。また、土地被覆図データの整備として、地上写真による土地被覆判別の基準を決定し、その手法を収集した地上写真に適用して土地被覆データを独自開発した。本データは、土地被覆図の検証・トレーニングデータとして活用することが見込まれる。
すべて 2010
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)
Biogeosciences
巻: 7 ページ: 641-655
巻: 7 ページ: 2061-2080