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2010 年度 実績報告書

熱赤外リモートセンシングと地表面熱収支モデルを併用した都市域の蒸発散量推定

研究課題

研究課題/領域番号 20710022
研究機関独立行政法人国立環境研究所

研究代表者

平野 勇二郎  独立行政法人国立環境研究所, アジア自然共生研究グループ, NIES特別研究員 (70436319)

キーワード都市熱環境 / リモートセンシング / 地表面熱収支 / 植生活性度 / 熱赤外バンド / 気象モデル / ヒートアイランド / 蒸発散
研究概要

熱赤外リモートセンシングを用いて地表面の物理特性に関するパラメータを取得し、地表面熱収支のシミュレーションを行なう手法を提案した。既往研究では都市熱環境のシミュレーションを行う際に土地利用データ等を用いて地表面の物理特性を設定することが一般的であったが、土地利用データは現実の土地被覆とは一致しておらず、計算結果はパラメータの設定に依存するという問題点があった。これに対し、本研究の手法では連続した日中・夜間の表面温度分布と1次元熱収支・熱伝導モデルとを結びつけることにより、経験式ではなく物理的な計算に基づいてパラメータを取得し、シミュレーションを行なう点に特徴がある。この手法を適用し、東京の代表的な土地被覆形態についてTerra衛星ASTERデータを用いてシミュレーションを行なった。この結果、地表面熱収支の計算結果は都市キャノピーモデルを組み込んだ地表面熱収支シミュレーションの研究事例とも概ね整合することが確認され、とくに従来の1次元熱収支モデルでは難しかった市街地での蓄熱特性も的確に再現することができた。この熱収支シミュレーション結果と住宅地においてタワー観測された顕熱・潜熱フラックスのデータとを比較し、妥当性を確認した。この方法により取得された蒸発効率のパラメータは住宅地では0.11、緑地では0.30となった。計算対象とした気象条件では地表面からの蒸発散による潜熱フラックスは日中のピーク時に住宅地では60[W/m^2]、緑地では200[W/m^2]となった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 都市キャノピー内における夏季の温熱環境の観測2010

    • 著者名/発表者名
      平野勇二郎, 濱野裕之, 田上浩孝, 藤田壮
    • 雑誌名

      環境情報科学論文集

      巻: 24 ページ: 435-440

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 熱赤外リモートセンシングを活用した都市域の地表面熱収支シミュレーション手法2010

    • 著者名/発表者名
      平野勇二郎, 藤田壮, 外岡秀行
    • 雑誌名

      環境工学研究論文集

      巻: 47 ページ: 537-544

    • 査読あり
  • [学会発表] 低炭素都市への展開を目指した都市・街区単位の各種施策導入効果の検討2010

    • 著者名/発表者名
      平野勇二郎、藤田壮、文屋信太郎、井上剛
    • 学会等名
      環境科学会2010年会
    • 発表場所
      東洋大学(東京都)
    • 年月日
      2010-09-16

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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