アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis ; AD)は刺激物、食品や環境要因により発症する。ADの発症については生後より摂取する母乳の関与が推測されてきたが、疫学的検討では母乳とADの関連性について一定の見解が得られていない。 生後3カ月時点でのAD(+)群、AD(-)群、それぞれ55例が生後4日目に摂取した母乳を対象とした。PMAで誘導したTHP-1細胞と母乳を共培養し、細胞内に誘導されたcAMP濃度をELISAにて測定した(これまでの研究代表者の検討から、Th2アジュバントはTHP-1細胞内cAMPを上昇させる)。 その結果AD(+)群はAD(-)群に比して細胞内cAMPを有意に高く誘導した。つまり一部のAD患児が摂取した母乳はTh2アジュバント活性が高い事を示唆するものである。
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