研究概要 |
単木位置、林分配置、森林景観の各情報について、それぞれデータ収集の方法を検討するとともに、東京大学北海道演習林をフィールドとして実際にデータ収集作業を行った。 1)単木位置データの収集 ・天然林択伐施業における収穫予定木の位置を高感度GPSで効率的に測位する方法について検討した。GPSを用いた収穫木探索の効率性(所要時間、歩行距離)について、従来の探索方法との比較により評価した。探索実験の結果、探索者がGPSの利用に習熟すれば、収穫木の探索効率向上は十分に期待できることが示された。 ・演習林内の2つの固定試験地を対象に、GPSとレーザコンパスを用いて立木位置を高精度で測位する方法を検討した。立木位置および樹種、樹高、枝下高、樹冠幅の測定結果をもとに、林分構造可視化ソフトウェア(Forest Window)を用いて林分断面図と樹冠投影図を作製した。 2)林分配置データの収集 ・下層植生の繁茂により林内でのトラバース測量が困難な条件下において、GPSにより林分の配置を測量する方法を検討した。夏季と冬季における携帯型GPS受信機の測位精度比較を行った。三元配置分散分析の結果,季節が有意となり,測位誤差は冬季においてより小さくなった。研究結果をふまえ、林冠下でのGPSによる林分区画測量の作業基準を提示した。 3)森林景観情報 ・演習林全域の高解像度衛星オルソ画像(ALOS)を取得した。精度評価の結果、取得したオルソ画像の位置精度が低いことがわかり、画像解析ソフトウェア(ERDAS IMAGINE)による幾何補正を行った。
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