研究課題
単木位置、林分配置、森林景観の各情報について、昨年度に引き続きデータ収集作業を継続するとともに、収集したデータの解析を行った。1)単木位置データの収集・解析・高感度GPSにより林冠下で測位した伐採対象木43本について、レーザコンパスを用いた閉合トラバース測量との比較により精度評価を行った。その結果、平均測位誤差は5.7mだった。20本(47%)の測位誤差が4m以内であった一方、7本(16%)は10m以上の誤差があった。高感度GPSで取得した位置データには誤差の大きなものが含まれている可能性があり、伐採対象木を探索する際には注意が必要と考えられた。・レーザコンパスにより固定試験地内の立木と根株の位置を高精度で測位し、天然林択伐における伐採対象木の空間的な分布特性を解析した。伐採木の選定が空間的なバランスを考慮して行われていることを示した。2)林分配置データの収集・解析・林分区画測量におけるレーザーコンパス測量システムと高精度GPSの利用可能性について評価を行った。測量精度、作業効率、耐寒冷地性、内業効率のいずれも優れており、十分な実用性を備えていることを実証した。・東京大学北海道演習林における択伐林の立地環境特性をGISにより解析し、標高300-600m、傾斜30度未満、西向き斜面に多く分布することを示した。3)森林景観データの収集・解析・幾何補正を行った衛星オルソ画像(ALOS)を用いて施業対象区域における林冠構造を解析した。NDVI(正規化植生指標)により抽出した林冠ギャップの位置は林分区画測量の結果とほぼ対応しており、天然林施業計画への応用可能性が示された。
すべて 2010 2009
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日本森林学会北海道支部論文集
巻: 58 ページ: 101-104