研究課題
アジア地域では、経済発展に伴い、急激な都市化と産業化が同時進行している。これらの現象は、アジア諸国に富をもたらす一方で、甚大な環境汚染、天然資源消費圧力の増大、都市農村格差の拡大などといった、複雑な構造をもつ問題群の原因にもなってきた。アジアを中心として、都市化の進行、あるは都市人口の増加が今後も続くと予想されており、都市のサステイナビリティ(持続可能性)を担保することが極めて重要な課題となっている。持続可能な都市を構築していく上では、社会経済、環境など含めた包括的な観点から持続可能性を評価するための評価手法の確立が必要となる。以上の背景をうけて、本研究では、アジアの都市をケーススタディ地域として、都市持続性を評価するための枠組み、評価法を構築することを目的とした。ケーススタディ地域としては、経済発展著しい中国およびベトナムの「都市部」を対象とした。本研究では、特に次の3要素について取り組んできた。1) 「都市」レベルの持続可能性を多面的に測りとるための枠組み・評価法の開発。2) 開発した評価システムを、中国およびベトナムの都市地域に実際に適用することで、各都市の持続可能性/サステイナビリティを定量的(あるいは定性的に)に評価。3) 本研究で開発した枠組み・手法の汎用性、有効性等の検証。20年度は、社会経済・環境に関わる多様な指標群を用いて、地域間の相対的な持続可能性を表す「統合スコア」を算出する方法を開発した。その上で、中国全省の統計データをもとに、省ごとの相対的な持続可能性をスコア化し、サステイナビリティの観点から中国の現状分析を行った。21年度については、ベトナムのホーチミン市を対象として、現地の研究者の協力のもと、データ収集等を含めたケーススタディを実行した。また、本研究で開発した評価法の汎用性、また今後の発展へ向けた課題等についてとりまとめを行った。
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Journal of Asian Architecture and Building Engineering Vol.9(1)((In press))
ページ: 8
Sustainability Science Vol.4(2)
ページ: 263-279
http://www.riss.osaka-u.ac.jp/jp/index.html