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2008 年度 実績報告書

放射線宿酔発症における脳内腫瘍壊死因子の動態解析とその役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20710042
研究機関大阪大学

研究代表者

山本 浩一  大阪大学, 医学系研究科, 助教 (40362694)

キーワードサイトカイン / ラット / 倦怠感 / 放射線 / 抗がん剤 / マイクロダイアリシス法 / グルタミン酸 / Suncus Murinus
研究概要

課題代表者はこれまで放射線や抗癌剤による倦怠感(Cancer-related Fatigue : CRF)の発症には脳内で産生されたTNF-αなど炎症性サイトカインが関与するなどのではないかとの仮説をたてて、研究を行ってきた。特に本研究課題ではマイクロダイアリシス法を用いて脳局所での炎症性サイトカインの産生・分泌動態病態を経時的に測定し、CRF発症時にいずれのサイトカインが重要であるかを検討することを主目的としているため、本年は抗癌剤投与後、いずれの時間帯に、いずれの脳部位で最も顕著に炎症性サイトカインが産生されているのかを明らかにすることに焦点を当てて実験を行った。ラットに抗がん剤投与後1、3、6、12、24時間後に延髄・視床下部を摘出し、組織中でのTNF-α、IL-1β mRNA発現レベルの経時変化を解析した結果、TNF-α、IL-1βとも抗癌剤投与後3〜6時間後に延髄・視床下部で発現増加が認められたが、特に延髄でのTNF-α発現が顕著であった。今後、行動薬理学的手法と神経化学的手法を組み合わせ、延髄で産生されたTNF-αの産生動態を経時的に測定し、TNF-αがCRF発症にどの様な役割を担っているのか詳細に検討することにしている。
また、申請者は香港中文大学Rudd教授との共同研究で、嘔吐反射のあるSuncus Murinusの脳内にダイアリシスプローブを刺入し、自由行動下で経時的にグルタミン酸遊離を測定しながら、抗癌剤を用いて嘔吐を惹起させ、グルタミン酸遊離が嘔吐反射に必要なのか否かについて検討した。その結果、嘔吐反射が生じている時間帯にグルタミン酸遊離が増加することを見出し、また制吐剤によって嘔吐反射ならびにグルタミン酸遊離増加を抑制することに成功した。このことから、脳内グルタミン酸は嘔吐反射に関与する情報伝達物質の1つであることを明らかにした。本研究課題はJournal of Pharmacological Sciencesに投稿し、受理された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Involvement of hypothalamic glutamate in cisplatin-induced emesis in Suncus murinus (house musk shrew)2009

    • 著者名/発表者名
      Kouichi Yamamoto
    • 雑誌名

      Journal of Pharmacological Sciences (In press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ラット・マウスを用いた悪心・嘔吐の研究法2008

    • 著者名/発表者名
      山本浩一
    • 雑誌名

      日本薬理学雑誌 132(2)

      ページ: 83-88

    • 査読あり
  • [学会発表] Effect of cisplatin on vomiting reflex and hypothalamic glutamate release in Suncus murinus2009

    • 著者名/発表者名
      Kouichi Yamamoto
    • 学会等名
      第81回日本薬理学会年会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2009-03-16

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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