超短パルス・単色・高輝度という特徴を持つ軟X線レーザーを培養細胞程度の大きさまで集光できるパルス軟X線マイクロビーム照射装置を開発し、X線照射によって誘発される放射線影響に関する研究を実施する。昨年度に開発したレーサープラズマX線(8keV)によるX線マイクロビーム照射装置と同様に、軟X線レーザー(90eV)を細胞集団程度の大きさまで集光し、可視光顕微鏡下で試料(細胞)に照射することが可能な軟X線マイタロビーム照射装置の開発を行った。90eVの軟X線レーザーは、大気を透過しかいかめ、真空中から直接大気中の細胞へX線照射可能な照射方法を開発した。本装置を用いて複数のがん細胞へのX線照射を行い、光子エネルギーの異なる2種類のX線を用いた細胞の放射線影響(DNA2本領切断生成)に関して細胞核内で発現する影響の違いを免疫蛍光染色により観察するこたができた。また、放射線誘導性バイマスタンダ一効果を評価するために、X線照射後に照射細胞および照射細胞周辺で応答するタンパク質を免疫蛍光染色で観察することにより周辺細胞への放射線照射によるストレスの伝搬を観察し、バイスクングー効果の観祭についての実験手法の確立を行った。これらの実験の成果に関して、CLEOPacific Rim 2009、ドーザー学会、応用物理学会等の国際会議、国内学会において発表を行い、レーザープラズマX線(8keV)照射装置に関しての成果をReview of Scientific Instrumentsに発表した。また、軟X線レーザー(90eV)を用いた細胞照射実験方法に関して国内特許の出願を行った。
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