(1)網羅的遺伝子発現解析による甲状腺ホルモン作用撹乱物質の影響の評価 本研究における目的は甲状腺ホルモン作用を遺伝子発現レベルで撹乱する化学物質の作用メカニズムを検討する事にある。ほ乳類周産期にある種の水酸化PCBに曝露された場合、脳機能の発達に重大な影響を及ぼすことが報告されている。そこで、モデル生物として変態期アフリカツメガエルを用いて、水酸化PCBによってホルモン応答作用が撹乱される遺伝子群のゲノムワイドな検索を行う事が第一段階としてあげられる。 (2)標的遺伝子の転写制御における化学物質の作用メカニズムの解析 上記(1)で抽出された"甲状腺ホルモン応答遺伝子で、かつ水酸化PCBによって遺伝子発現が撹乱される"遺伝子群の転写制御が水酸化PCBによってどのように撹乱されるかを検討する。具体的にはヒストンのアセチル化状態などを水酸化PCB共存下で検討し、クロマチン構造の変化等を追跡する。
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