研究概要 |
本研究では、金ナノロッドの集合形態制御による可逆的な色変化挙動を示すナノ光材料の開発を目指して、集合形態に依存したナノロッド粒子集合体の光特性について調査する。本年度は、実施計画に基づいて(1)表面修飾したナノロッドの集合体形成および(2)リンカー分子で架橋したナノロッド集合体の形成を実施した。 (1)表面修飾したナノロッドの集合体形成...既報に従ってシリカで表面修飾したナノロッドの作製を行なった。表面を修飾することは可能であったが、収率が低くさらにシリカコートによりアスペクト比が減少することから集合体形成まで至らなかった。 (2)リンカー分子で架橋したナノロッド集合体の形成…スペーサーとなるリンカー分子としてシンプルな分子構造を有する1, 9-ノナンジチオールを採用した。ナノロッド 溶液にノナンジチオールを共存させて集合体形成を行なった。透過型電子顕微鏡(TEM)観察より、ノナンジチオール共存下においてもナノロッド集合体の形成を確認した。さらに、集合したナノロッドの再分散を行なうためにアセトニトリル添加により集合挙動の変化を評価した。UV-vis吸収スペクトル測定を行なった結果、ノナンジチオール無添加下で集合化した集合体の光吸収帯は長波長シフトした。一方、ノナンジチオール共存下で集合化した集合体の光吸収帯は変化しなかった。このことからノナンジチオール分子が集合したナノロッド同士を連結していることが示唆された。
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