研究概要 |
本研究では、金ナノロッドの集合形態制御により可逆的な色変化挙動を示すナノ光材料の開発を目指して、集合形態に依存したナノロッドの光特性について調査した。本年度は、実施計画に基づいて下記2項を実施した。 1, 外部刺激応答型リンカー分子で架橋したナノロッド集合体の集合体形成と可逆的光特性評価 リンカー分子として分子内にS原子を有する温度応答性高分子ポリイソプロピルアクリルアミドを採用した。ロッド集合体溶液またはロッド溶液に対してリンカー分子の溶液を添加後、温度変化による光消失スペクトル変化を評価した。ロッド集合体溶液において、温度変化により紫外可視消失スペクトルが変化した。ロッド溶液については僅かであるが、温度変化による可逆的な光消失スペクトルの変化が観測された。 2, 作製したナノロッド集合体の理論計算との比較検討 リンカー分子として1,9-ノナンジチオールを採用したナノロッド集合体について、Fossらの報告に基づいて理論計算を行なった。ナノロッド集合体の構造は電子顕微鏡観察から得られた凝集形態に基づいた。得られた結果は、定性的に紫外可視消失スペクトルと同様の傾向を示した。
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