20年度に引き続き、異種金属微粒子の複合化を行った。本年度はPVP保護Agコロイドを原料としたAg-Au系複合体の作製に成功した。PVP保護コロイドはこれまで用いてきた無保護コロイドに比べて、高濃度で、市販される金属種も多いことから、多様な複合体を作製することが可能となる。また、活性化処理についても、プラズマ処理装置に回転導入機を取り付け連続的に処理することで、従来に比べて10倍以上作業時間を短縮することが可能になった。その他前処理の検討などにより、プログラム自己組織化を用いた触媒調製技術をほぼ確立することができた。 次に、Pt-Au複合体をTiO2に担持した触媒について触媒活性を測定したところ、その活性は複合化させないものに比べてかなり小さく、プログラム自己組織化による構造制御が触媒活性に影響を及ぼすことが明らかになった。しかし、触媒特性に対しては負の効果であることから、プログラム自己組織化の触媒応用の有効性を示すためには、正の効果を示すような物質・反応系の探索が必要である。
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