研究概要 |
本研究は,従来の電子伝導素子の問題点※を克服するため,動作原理が異なる「スピン波束伝播型局在スピン素子」を提案し,その物性予測を行うことである.ここでスピン波束とは,磁性体内の連なった磁気モーメントの一部が傾いた励起状態であり,伝播の際,電子の移動は伴わない. 本研究の実施計画として次の項目を考える. (1)スピン波束伝播の持続に大きな影響を与え得るスピン緩和について調べる. (2)スピン緩和の一因であるスピン-原子振動相互作用V_<SA>を導出し,実際の材料に対して|V_<SA>|を評価する. (3)V_<SA>によるスピン緩和時間を導出する. (4)実験グループと連携を取りながら理論計算の結果を実際の材料開発に繋げる. ※問題点は,高い消費エネルギー,電流密度増大による素子破壊などである.
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