研究課題
第一に金属ナノワイヤーのテンプレートとなるグラフトコポリマーの合成法を最適化した。これにより幹ポリマーに対するメタクリル酸メチルの仕込み比を変えることで、枝ポリマーの長さが自由に制御可能となった。また、この際得られるポリマーの分子量はメタクリル酸メチルの仕込み比に従って増加するというリビング重合のような挙動を示した。これは、一般には金属試薬や特殊な化合物を要するリビング重合を用いずに分子量制御を達成した希有な例であり、新しい分子量が制御された高分子量グラフトコポリマーの合成法として有用と期待できる。また、この成果は、テンプレートして得られたポリマーを利用した際に、金属部位の直線性や絶縁部位の厚さなどの制御に有効に作用する。さらに得られたテンプレートポリマーに銀塩およびパラジウム塩を作用させたところ、幹ポリマー部位へのこれらの金属の集積がエネルギー分散型分光法(EDX法)や熱分解挙動などによって確認された。これにより次世代の電子デバイス等に有効と期待される単原子幅の金属ナノワイヤーの前駆体が合成できたことを確認できた。
すべて 2009 2008
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