研究概要 |
本研究は、環境バイオセンシング技術への応用を目指して、表面支援レーザー脱離イオン化質量分析(SALDI-MS)のための新規なSALDIプレートの開発を目的としている。その研究成果として、SALDI-MSのための新規なナノ粒子積層薄膜プレート、(1)金ナノ粒子/高分子交互積層薄膜と(2)ポリエチレンイミン修飾グラファイトシートを開発した。金ナノ粒子/高分子交互積層薄膜では、フェムトモルオーダのペプチドの高感度検出、分子量1万程度の蛋白質の検出など、従来の金ナノ粒子を用いたSALDIに比べて、感度と検出限界分子量ともに向上できた。環境分析を目的としたポリエチレンイミン修飾グラファイトシートでは、近年、環境残留の点で問題となっている炭化フッ素系の界面活性剤(PFOS,PFA)の高感度検出と定量分析の有効性を示すことができた。
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