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2008 年度 実績報告書

生物分子を用いた1分子DNA解析デバイスの改良

研究課題

研究課題/領域番号 20710097
研究機関青山学院大学

研究代表者

三井 敏之  青山学院大学, 理工学部, 准教授 (40406814)

キーワード生物物理 / ナノ材料 / マイクロナノデバイス
研究概要

ナノポアを用いてDNAがナノポアを通過する際の挙動を1分子単位で解析した。挙動の観測方法は蛍光分子によりDNAを染色し、その蛍光分子を顕微鏡により観測した。観測結果は興味深く、予想以上に多くのDNAがナノポアを通過せずにポアのところで、"clog"することがわかった。基本的に一度clogしたDNAはポアから取り出すことは不可能だが、バイアスとして直流電位をかけ、それに交流電位を数周期パルス状に印加することで、DNAが取り出せることがわかった。また、ポアに侵入する直前の挙動を解析することにより、ポアの付近電場がポアよりしみだすことが予測でき、ランジバン方程式を適用することにより、電場を評価した。これにより印加する電位が1V程度になると、ポアの位置を中心として約半径10μm以内にあるDNAがしみ出た電場によりポアの方向へ一斉に加速度することが確認された。この場合、DNA密度にもよるが、複数のDNAが一度にポアを通過すべくポアに侵入するためにclogしやすくなるということが結論づけられた。
また、ポアのまわりにできる電場に関して興味深い結果が得られた。球対称の電場ができると予測していたが、実際はポアのあるSiN表面方向の電場の減衰が小さく、ポアと直角方向における電場の減衰が大きかった。ほとんどのDNAがあたかもポアのあるSiN表面上を這ってポアの方へ移動して、そしてポアを通過するように観測される理由が明確となった。
この結果により、DNAがどのようにポアに侵入していくかの過程がわかったのは、同様の研究を行っている研究グループにとって興味深いものとなるに違いない。本研究では、これより、ポアの生物分子修飾を行うにあたり、重要な情報となった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Direct observation of DNA dynamics toward solid state nanopore studied by fluorescence microscopy2009

    • 著者名/発表者名
      Toshiyuki Mitsui
    • 学会等名
      American PhySiCs Society
    • 発表場所
      Pittsburg PA USA
    • 年月日
      2009-03-20
  • [学会発表] Study of DNA Dynamics toward Solid State Nanopore Studied by Fluorescence Microscopy2009

    • 著者名/発表者名
      Toshiyuki Mitsui
    • 学会等名
      The March Annual Workshop
    • 発表場所
      宮城県仙台市
    • 年月日
      2009-03-05

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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