研究課題
本研究では、申請者がこれまで開発してきたμFACSシステムをさらに発展させ、再生医工学や免疫学研究での実用を目指す。実用化にあたり最も重要な点は、再現性・信頼性の良いデータが取得できることである。そのためには、チップの大量消費を可能とするチップ加工の安価・高生産性と、作業者の技量などによる変動を最小限とするための操作の簡便性が重要である。また、細胞に対して低刺激であることや、検出の定量性に優れていることは必須の要件である。本研究では「PDMS単一キャスティング流路構造による三次元シースフロー形成」及びそれを発展させた「三次元シースフローを実装した次世代ゲルソーター」の開発を行い、上記のμFACSシステムに対して検出定量性の向上、細胞非侵襲性の向上および操作の簡便性の向上を目的としている。この目的に対し、本年度はまずPDMSの単一キャスティング流路構造の検討および単一キャスティングの工程を検討した。本年度の成果として溶液リザーバーとなるPEEK製鋳型をバネを介してチップ作製用ジグに固定し、各々のリザーバー鋳型の先端がマイクロ流路鋳型に対して密着するようにし、さらに、マイクロ流路の接触部分の形状には、数十マイクロメートルの柱を配列することでPDMS重合時にリザーバー鋳型とマイクロ流路の接触部分に未重合PDMSが入り込みづらくし、結果として離型時には接触部分が貫通穴として形成されることを見出した。これにより、PDMSの重合および離型を行うだけで、マイクロ流路、リザーバーおよび貫通穴が同時に形成されるプロセスを確立した。
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Lob on a chip (RSC Publishing) 9
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The 12th International Conference on Miniaturized Systems for Chemistry and Life Sciences (micro TAS 2008)
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