研究課題
電界放射顕微鏡(Field Emission Microscope : FEM)により酸素ラジカル処理を施したビーム誘起堆積Pt冷陰極の電子放出六ターンの評価を行った。これにより、酸素ラジカル処理を施したビーム誘起堆積Pt冷陰極の電子放出パターンは複数の縞状のパターンで構成されているごとが分かった。これらの縞状のパターンを複数のフラウンホーファ回折の重ね合わせモデルとして、2次元強度分布の計算を行った。その結果、計算結果と実験で観察した縞状の電子放出パターンが比較的良い一致を示した。このことから実験で得られだ縞状の電子放出パターンが電子波の干渉縞の重ね合わせであることを示した。また、酸素ラジカル処理を施す前後でのビーム誘起堆積Pt冷陰極の透過型電子顕微鏡像を観察することによって、酸素ラジカル処理によってビーム誘起堆積Pt冷陰極表面のアモルファスカーボン層が除去されて、冷陰極表面にPtナノクリスタルが露出していることを明らかにした。以上の結果は、ビーム誘起堆積Pt冷陰極から放射される縞状の電子放出パターンは1つのPtナノクリスタルに存在する二点の電子放出サイトから放射された電子波の干渉パターンであることを示唆している。この成果を平成20年7月にポーランドで開催された第22回国際真空ナノエレクトロニクス会議において発表した。
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Journal of Vacuum Science & Technology B 26
ページ: 760-763
ページ: 864-867