研究課題
本研究は、これまでに申請者等が実施してきたスコアカード(LSC)に関する調査から蓄積されたデータベースおよびそれに基づくSCM性能と経営成果との関連性メカニズム等の研究成果を、グローバル経営の立場から韓国を新たな調査対象に加えた国際比較へと拡張し、国の制度や文化による違い、産業による違いを含めたグローバルSCM効率化における阻害要因の解明と、それを打破するための具体的提案、ツールの開発を目指すものである。本年度は研究の2年目にあたり、基本的に20年度の調査と分析を継続しながら、各国のデータベースに基づく自動診断システムの開発と、LSCによる調査の枠組みを、グローバルSCM立場から、韓国を中心に拡大し、主として以下の2つの観点から研究を行った。(1) 各国の調査と分析の継続(2) 各国の制度・文化を考慮した自動診断システムの構築とそれに基づく経営成果との関連分析これにより、グローバルSCMのバリューチェーンとしての全体最適と企業ごとの組織制約に基づく部分最適との矛盾を示す枠組みを構築するとともに、この枠組みをこれまでに保有してきた国内データベースへと応用することで、グローバルSCM構築する上での組織上の問題についての探究を行ってきた。卓越した現場力の裏返しとして、日本企業におけるSCMにおいてはマネジメント力の不在が問題として挙げられると共に、組織能力と情報技術活用力の相乗効果がオペレーション性能を経営成果に結びつけるために不可欠であることを定量的に示すことができた。
すべて 2009
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)
Journal of Japan Industrial Management Association Vol.59, No.6
ページ: 494-504
品質 Vol.39, No.3
ページ: 112-122
日本経営工学会論文誌 Vol.60 No.2
ページ: 69-76