研究概要 |
大きく分けて以下の二種類のリアルオプションに関する研究を行った. 1. コーポレートファイナンスにおける企業の投資問題の分析 2. リアルオプションモデルによるケーススタディ 研究1では,企業の資金調達や最適資本構成の問題と企業の最適投資戦略の問題を結びつけ,(i)経営者,(ii)株主,(iii)債権者という3種類のプレーヤーを考慮したリアルオプションモデルの構築と分析を行った.株主と経営者の利害対立下における投資と資本構成を明らかにした論文は,国際的に評価の高い査読付ジャーナルJournal of Economic Dynamics and Controlに掲載された.また,企業間の投資争いに対する負債調達の影響を明らかにした論文は,査読付ジャーナルInternational Journal of Management Science and Engineering Managementに掲載された.他にも,資金調達制約が企業間争いを緩和する可能性を明らかにした論文等,5編の論文が国際学術論文誌で審査中である.一方,研究2では,「大学のブランド価値と定員数の調整」や「大学定員割れリスクの予測」等の実証研究を行い,多くの知見を得た.さらに,リアルオプションの観点から自動車メーカーのエコカー投資戦略を評価した論文は,国際的に評価の高い査読付ジャーナルOperations Research Lettersに掲載された.また,国内外の多数の学会で,これらの研究成果を発表した.
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