研究概要 |
本研究では, 病院職員の災害対応力向上を目指して, 病院向け災害対応eラーニングシステム構築パッケージの開発を行っている. あらかじめ様々なハザードや病院特性を踏まえたラーニングコンテンツを開発し, これらを病院側がハザード(地震・火災・テロなど)および病院特性に合わせて選択して組み合わせることにより, 自分に適したeラーニングシステムとしてカスタマイズできるパッケージの開発を目指している. 平成20年度は, 災害後の傷病者の受け入れに際して. 最前線のマンパワーとして期待される救急部医師・看護師を対象として, 発災直後から患者受け入れまでの準備・傷病者のトリアージ体制の構築・トリアージという一連の過程を,時間軸に沿って仮想体験するためのラーニングコンテンツを制作した. 教材中には,病院固有のパーツと, 一般的なパーツが存在しており, これらを組み合わせることにより, 病院独自のラーニングシステムとしてカスタマイズできるように,設計を行った. 教材では,実際の災害対応に使う物品や衣類などの写真,災害対応を演技している動画も入れ, リアルなイメージを想起できるようなわかりやすい内容を目指した. 一般看護師編, およびトリアージの指揮を取るリーダー看護師編などの, 5段階の教材として作成し, 東京都内のA病院の救急部職員を対象とした試験運用を行った. アクセス解析および感想の分析から, 教材として修正すべき箇所の検討を行った, 平成21年度はコンテンツを拡張するとともに, パッケージ化に向けた検討を行う予定である.
|