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2008 年度 実績報告書

インドネシア泥水噴出事故と深部液状化現象の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20710138
研究機関独立行政法人海洋研究開発機構

研究代表者

谷川 亘  独立行政法人海洋研究開発機構, 高知コア研究所, 研究員 (70435840)

キーワード液状化 / 泥火山 / 地震動
研究概要

インドネシア泥水噴出事故(LUSI)と関連の深い東ジャワ島堆積盆地の堆積岩試料を用いて流体移動特性の測定を行った。その結果多くの堆積岩試料は封圧100MPaの変化によって、初期圧に対して透水係数は1-3桁減少した。一方(カルサイトによる)セメンテーションを受けている試料は封圧変化に対して浸透率はほとんど変化を示さなかった。噴出した泥の起源とされているUpper Kalibeng層の泥岩は10^<-19>~10^<-20>m^2の非常に低い水の浸透率を示し、また天然ガスの起源と推定されているKujung層石灰岩については、上位層は10^<-16>m^2を示し、下位層はやや低い10^<-18>m^2を示した。またいずれの試料もガスの浸透率は水の浸透率と比較して大きな値を示した。さらに実験結果をもとに、3.2Maから0Maまでの時代区間において、1)kujing層が難透水性の場合と2)高い浸透性を持つ場合の2つのケースについて堆積盆解析を行った。いずれの場合もKalibeng層泥岩が堆積を開始する時期から、急激に高間隙水圧(=静水圧より高い水圧)の発達が認められた。難透水性を仮定した場合、Kalibeng層泥岩とその下部層全域にわたって高間隙水圧の発達が認められたが、高い浸透性を仮定した場合、Kalibeng層泥岩のみにおいて高間隙水圧の発達が認められた。以上の結果はKalibeng層泥岩が非常に低い浸透率を持ち、かつ比較的速い堆積速度で堆積が進行していったことにより高間隙水圧が発達したことを示している。
本結果は、高間隙水圧の発達がKalibeng層泥岩の強度低下と流動化を促したことを示唆している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Comparison of Klinkenberg-corrected gas permeability and water permeability in sedimentary rocks2009

    • 著者名/発表者名
      Tanikawa, W
    • 雑誌名

      Int.Jour. of Rock Mechanics and Mining Sciences 46

      ページ: 229-238

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Stratigraphic variation of transport properties and overpressure development in the Western Foothills, Taiwan2008

    • 著者名/発表者名
      Tanikawa, W
    • 雑誌名

      Journal of Geophysical Research

      ページ: JB005647

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 透水係数の測定時間短縮を目的としたトランジェント・パルス法の改良と考察2008

    • 著者名/発表者名
      谷川亘
    • 雑誌名

      応用地質 49

      ページ: 105-110

    • 査読あり
  • [学会発表] 東ジャワ島ガス田の泥水噴出災害地域における間隙水圧分布の推定2008

    • 著者名/発表者名
      谷川亘
    • 学会等名
      日本地質学会第115年学術大会
    • 発表場所
      秋田大学
    • 年月日
      2008-09-21

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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