研究課題
リアルタイムにNCEP/NOAAの気象予報データGFS(Global Forecast System)と気象庁の毎時大気解析GPVをダウンロードし、波浪モデルSWANで日本域の波浪推算を行うシステムの稼動をオフラインで開始した。解析を継続していたことにより、船舶の海難事故が突発的に発生した際に、その海域における波浪解析値を即座に抽出し、気象海象状況がどうであったかを示すことができた。また、高潮計算モデルの改良を図った。従来の高潮計算モデルは、中心気圧および台風半径からモデル的な台風を設定し、その気圧分布、そこから求まる傾度風および台風の移動速度を用いて、高潮計算における駆動外力を与えていた。本課題では、気象場の解析データGFSもしくはFNL(Final Analysis)とメソモデルWRF(Weather Research Forecasting model)を援用しているので、気象予測モデルそのものから高潮計算に用いる外力を算定できる。高潮計算に用いる外力を与えるスクリプトを作成し、前年度に構築したシステムへ高潮モデルの統合化を試みた。平成16年に大きな高潮被害をもたらした、台風0416号と0418号を対象に、瀬戸内海における高潮推算を実施した。その結果、気象の客観解析データとメソスケールモデルを用いる方が、台風モデルに比べて台風経路近傍に限らず,広範囲の気象場をよく再現でき、高潮の再現精度も増すことがわかった。
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海岸工学論文集 56
ページ: 1471-1475
ページ: 381-385
海洋開発論文集 25
ページ: 891-896