研究概要 |
メソスケールの埋没破堤地形を対象とし,比抵抗探査および表面波探査の統合物理探査を適用することにより,物理的な同定に成功した.また,その物理探査結果から過去の破堤イベントのスケールを評価した結果,氾濫土砂量は100~200×10^4m^3であった.過程を読み取り,水害地形環境の評価を行った.近年の破堤事例と比較して,非常に大規模な破堤イベントであると推察され,破堤当時の木津川河道には砂質堆積物が過度に堆積し,天井川化が著しい状態であったことがうかがえる.上記の氾濫土砂量を運搬するために必要な氾濫流量は10×10^8m^3(10億トン)と推算された.これは伊勢湾台風(5915号)来襲時の木津川における氾濫流量と同等の出水イベントであったことが考えられる.
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